【2000年代の人気アニメまとめ】これだけは見ておきたい！テーマ別おすすめ作品を紹介

2010年代アニメに比べると、いざ2000年代アニメは古いかな... と思われがちな昨今だ（この記事は2024年時点で執筆）。

とはいえ、当時まだ新人だった新海誠監督の初期作品だったり、人気アニメスタジオ・京都アニメーションの初期作品だったり、2010年以降のアニメ・トレンドに通づる文脈を持つ作品も多い。

この記事では、こうした昨今のアニメ・トレンドの文脈を理解するのに役立つ、2000年代の最低限チェックしておきたいアニメ作品だけを抜粋して紹介する。

1. セカイ系アニメ

2000年代アニメの一大トレンド「セカイ系」。

『新世紀エヴァンゲリオン』（1995年）に始まり、2010年以降の作品だと『君の名は。』『進撃の巨人』あたりがセカイ系のエッセンスを取り入れた作品として知られる。

セカイ系とは諸説あるが、大まかに言えば「僕」と「ヒロイン」の関係性に依存した世界崩壊系アニメ。

僕とヒロインの関係性が保たれて世界崩壊する世界線。僕とヒロインの関係性が破綻する代わりに世界が救われる世界線。同2つがパラレルワールドのように併存した世界において、どちらの世界線が選ばれるのかに焦点を置いた作品が”セカイ系”と呼ばれることが多い。

 

新世紀エヴァンゲリオン

日本アニメの歴史的な転換点となった『エヴァンゲリオン』。

"セカイ系”言わしめた僕とヒロインの関係性の描写に強み。”ループ説”や”世界線”など日本アニメもちろん、日本のドラマや小説で使われるSF設定も大衆化した。

まずはTVアニメを見たい。次に旧劇場版こと1998年公開の『DEATH (TRUE)2 / Air / まごころを、君に』を見る。これでひととおり完結。

ただ、2007年から新劇場版がスタート。総集編映画だと思われていたが、2作目からオリジナルのストーリー展開に。2021年公開の『シン・エヴァンゲリオン』で従来とは異なる完結を迎えた。

 

 

涼宮ハルヒの憂鬱

2000年代後半を代表する人気アニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』。京都アニメーションが制作したことでも知られる。

宇宙人だった同級生、涼宮ハルヒめぐるドタバタ描いた学園コメディ。

"セカイ系”アニメの正統後継作でもある。世界線やループ説などSF要素盛り込み。面白くて切ない絶妙な味付けの作品に。

TVアニメは2006年版、2009年版の2種類あるが、2009年版を見れば問題なし。2009年版は2006年版にプラスαで新規エピソードを追加した完全版の位置付けだ。

 

 

雲のむこう、約束の場所

商業作家デビューしたての新海誠監督の作品。

ソ連っぽい架空の国に軍事占領され、南北に分断した架空の戦後日本を舞台にした恋愛ミステリー。歴史IFと恋愛IFを”世界線”で重ねて描写した。

現実と夢が交錯する『君の名は。』に通ずる王道のセカイ系アニメ。『君の名は。』がどれだけ丸くなった作品なのか理解できる。

 

 

2. 深夜アニメ黎明期

2005年前後から急増した深夜アニメ。

少子化の影響か、2000年代にもなると夕方アニメの数が減少。ゴールデンタイム（夜19時〜20時）のアニメはほぼ消滅。より年齢が高めの人をターゲットにした深夜アニメがアニメの主戦場に。

深夜アニメの制作を主に担った「京都アニメーション」や「シャフト」（SHAFT）といった若手アニメスタジオが知られるきっかけに。特に京都アニメーションは作画崩壊しない優良アニメスタジオとして一躍メジャーになった。

 

デスノート

いまさら説明する必要もない少年ジャンプ連載の人気作『デスノート』。

（2006年当時の）少年ジャンプ作品では珍しく深夜アニメとして放送。夕方アニメでは実現できなかったであろう、そのダークな世界観を見事に描き上げた。

アニメ『進撃の巨人』を手がけた荒木哲郎監督の初監督作品としても知られる。

TVアニメの総集編『リライト』が2作あるが、こっちは見ても見なくても問題ない。純然たる総集編だ（オリジナルカット多め）。

 

 

さよなら絶望先生

漫画家・久米田康治のブラックコメディ『絶望先生』。時事ネタ風刺コメディとして人気だった。

『化物語』『魔法少女まどか☆マギカ』で知られるアニメ制作会社・シャフト（SHAFT）が制作担当。独特なアニメーション演出で注目を集めた。

原作漫画は完結したが、アニメは完結せず。時事ネタを題材にした作品なので、いまさらアニメ化されることもないかと思う。作品の最終回が気になる人は原作漫画も読みたい。

 

 

らき☆すた

若かりし京都アニメーションが制作した学園コメディ。時事ネタ題材にしたコメディ劇として知られた。

京都アニメーションは2003年から元請け制作を開始。作画崩壊アニメが多かった2000年代の深夜アニメ界隈において、異様なまでのキレッキレなアニメーションで注目。『らき☆すた』もOPのダンスシーンが話題さらった。

作中に登場した神社のモデルとして知られる鷲宮神社（埼玉県）がアニメ聖地となり、聖地巡礼ブームの先駆けにもなった。

 

 

N・H・Kへようこそ!

ひきこもり青年 × 宗教2世ヒロインが生きる喜び探していくブラック青春コメディ。

大学を中退した青年が、謎多き宗教2世ヒロインとともに社会復帰を目指す。

原作は2001年に発表された小説だが、奇しくも2024年現在でも違和感ない作品。日本社会のアンダーグラウンドな世界がここにあり。

今現在だとアニメ化の機会すら得られないであろう、2000年代の深夜アニメだから可能だった気持ち悪い作品（気骨のある作品）。視聴する勇気ある人のみ視聴あれ。

ちなみに”NHK"とは日本ひきこもり協会（Nihon Hikikomori Kyokai）の略で造語。日本放送協会ことNHKとは関係ない。

 

 

3. 夕方アニメの最後の砦「土6」

地上波テレビから夕方アニメ、ゴールデンタイムアニメが消滅する中、土曜18時アニメ（いわゆる土6アニメ）が夕方アニメの意地を見せた2000年代。

なかでも『コードギアス 反逆のルルーシュ』が圧倒的な人気。男女関係なくファンを獲得した。主人公のルルーシュは2000年代の新語「厨二病」の権化とも言える唯一無二の異彩を放った。

 

コードギアス 反逆のルルーシュ

2000年代を代表する人気作。『コードギアス 反逆のルルーシュ』。

架空の大国「ブリタニア」に占領された現代日本が舞台。ブリタニアを打倒し、日本独立を果たすべく、主人公・ルルーシュが救世主「ゼロ」としてブリタニアに戦いを挑む。

いわゆるダークヒーローもの。怒涛の勢いとテンションで話が進むので1話から否応にも引き込まれる。名実ともに厨二キャラの代名詞となったルルーシュの名台詞やポージングにも注目したい。

2019年にTVアニメのその後を描いた映画『復活のルルーシュ』を公開。今後もなにかしらの作品プロジェクトが続く模様。

劇場版総集編（3部作）あり。第1章が『興道』、第2章が『叛道』、第3章が『皇道』。

 

 

機動戦士ガンダムSEED

『機動戦士ガンダム』シリーズの世界観を原案にしたオリジナルアニメ。従来のガンダム作品とは関係なし。ガンダム初見の人でも楽しめる。

遺伝子操作によって類まれな能力を得て宇宙進出を果たした人類と、遺伝子操作を忌み嫌う旧来人類との対立を描いた。

劇場版・最終章『ガンダム SEED FREEDOM』が2024年に公開。ようやく正式に完結した。

ガンダムの前知識なしで楽しめる。ガンダム入門にもおすすめ。

 

 

BLOOD+

神山健治、藤咲淳一監督らが企画したプロジェクト『BLOOD』初のアニメーション作品。

謎の吸血生物・翼手との戦いを描いたダークファンタジー。翼手を倒せる特殊な血を持つ少女が、日本刀で切った張ったする。

沖縄、ベトナム、フランスなど実在の地域をめぐり、戦争の歴史の裏に隠れた一族を追うミステリー作品の側面も。

『BLOOD』シリーズは女子高生が日本刀で戦う作品コンセプトあり、今作もそれに準拠。血が飛びまくる男性視聴者を意識した作品だった。ただ、美形キャラが多くて気づけば女性視聴者の方が増えてた逸話あり。

 

 

4. 同人PCゲーム発アニメ

2010年代はスマホゲーム発のアニメ化が多かったが、2000年代は同人PCゲーム発のアニメ化が多かった。

それこそ1998年にWindows 98の発売が開始され、同人PCゲーム市場が花開いた。

なかでも人気だったのが「Fate/stay night」。ゲームブランド「TYPE-MOON」の前身となる同人サークルが2004年に発表。同人PCゲームながら20万本を売り上げるヒット記録した。アニメ化、シリーズ化され、現在もシリーズが続いている。

 

Fate/stay night

（2010年代に）スマホゲーム「FGO」がヒットしたFateシリーズ。もともとPC向けエロゲーとして始まった。

その第1作となるのが『Fate / stay night』。あらゆる願いを叶える「聖杯」めぐる戦いを描いたバトルファンタジー。

PCゲーム中の3ルート（3ヒロイン）をそれぞれアニメ化。2006年のTVアニメから始まり、2017年にひととおりの映像化が終了した。とりあえずまずは2006年のTVアニメ版（Aルート）からチェックしたい。

 

 

ひぐらしのなく頃に

同人PCゲームから始まり、圧倒的な人気誇った『ひぐらしのなく頃に』。

田舎町を舞台にしたホラーミステリーもの。連続怪死・失踪事件の真相を追う。

アニメ・プロジェクトが非常に長く続いており、かれこれ最新作が2021年にTVアニメ化された。まずは第1作となる2006年版をチェックしたい。

 

 

Kanon

PC向け恋愛アドベンチャーゲームとして始まった『Kanon』。

ストーリーを重視した泣きゲー（感動ゲーム）としてポジション確立した。

2006年に京都アニメーションがアニメ化。2000年代を代表する1作に名を連ねた。

ちなみに、2002年にもアニメ化されたが、こちらはあまり注目されず。視聴する際は2006年版（京都アニメーション版）だけチェックしておけば問題ない。

 

 

5. 新人アニメ作家・監督

時をかける少女

細田守監督の事実上のデビュー作。SF作家、筒井康隆の同名小説をアニメ化した。

タイムリープ能力を得た女子高生の青春映画。私利私欲のためにタイムリープを活用していくドタバタ劇。「世界を救う」とかそういう大それた話ではない。

細田守監督はもともと東映アニメーションに在籍。『ONE PIECE』や『デジモン』の絵コンテなど担当していた。2006年に独立。2011年にスタジオ地図を設立。『竜とそばかすの姫』や『バケモノの子』などファンタジー系の作品で知られるように。

 

 

秒速5センチメートル

新海誠監督の過去作品。かつ往年のギークな新海誠が味わえる名作。

小学校のクラスメイトだった男女のすれ違いを描いた切ないラブストーリー。

中学時代、高校時代、社会人と時間が流れ、全く関わりのない他人に別れていく、一方ではそれに抗おうとする切なさ。これもう本当に切なくて冬場に1人で見ると凍死しそうな勢い。

コミカライズ版では真のラストが描かれた。アニメを見たら（見てしまったら）こっちもチェックしたい。

 

 

サムライチャンプルー

『カウボーイビバップ』で知られる渡辺信一郎監督のオリジナル作品。

江戸時代の日本が舞台。用心棒のサムライ2人と少女1人の旅を描いた冒険もの。

サムライとヒップホップを組み合わせた渡辺信一郎監督ならではの洒落た作品に。時代考証を無視したトンデモ歴史ドラマで逆に注目さらった。

『カウボーイビバップ』つながりでVODが普及する以前から海外（特に欧米）での人気高かった。

 

 

6. 2010年代に続く人気作

けいおん！

2010年前後にバンドブームを巻き起こした人気作。京都アニメーションが制作した。

高校の軽音楽部に集った女子高生の日常を描いたほんわかもの。

京都アニメーションならではのキレッキレな演奏シーンもあり、作品人気とともに京都アニメーション人気を確固たるものにした。

2011年には完結編となる劇場版が公開。興行19億円の大ヒットを記録。昨今では一般的な深夜アニメ発のヒット映画の口火を切った。

 

 

化物語 ＜物語＞シリーズ

2010年代を代表する人気作。＜物語＞シリーズ。

人間が持つトラウマやコンプレックスを＜怪異＞と呼ばれる化け物として描写。ただ戦うだけでは解決できない苦悩や葛藤を描いたヒューマンドラマ。

アニメ制作会社・シャフトが制作担当。その独特なアニメーション演出、音楽、コミカルな会話劇など含めて総合的に評価高い。

シリーズは以降も続いているが、とりあえずまずは『化物語』をチェックしたい。

 

 

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